2009年02月12日

煙道火災が起きました

21年2月11日、本日夕方に煙道火災が発生しました。
以上です。

えっ?
それだけですか?

ハイ、それだけですが何か?






では余計な事も書いておきましょう。
薪ストーブユーザーにとって気を付けないといけないのが煙道火災です。
薪ストーブを原因とする火災のうち、ストーブ本体を原因とするものはほとんどありません。
大半が煙突に起因するものであり、その中でも煙道火災が引き金になっているものも多数あります。

煙道火災とは、煙突内部に付着する可燃物であるタール(ヤニ)に引火して煙突内部が燃え上がる現象を言います。
これが起きると煙突の表面温度が上昇し、場合によっては近くの可燃物を熱して発火を誘引する原因となる事があり危険です。
煙道火災は予見することが難しく、ストーブを燃やしつづけている以上避けて通りにくいものです。
煙道火災を起こさない為には、コマメに煙突内部を掃除して付着したタールを落す事です。
そしてそもそもタールの付着を少なくするためには
針葉樹はあまり燃やさない
※針葉樹にはヤニが多くタールがたくさん出やすい
十分に乾燥した薪を燃やす
※湿った薪ではタールの発生が多くなります、タールが完全燃焼する温度にまで熱せられない為
高温で燃やす
※低温燃焼はタールの発生が多くなります
などに注意する必要があります。
ただ広葉樹だけを燃やしていても、タールは煙草のヤニと一緒でどうしても付着してしまいます。
ですから煙突掃除をする、しないに関わらず、定期的な煙突内部の点検はしておくべきなのです。
タールの付着量もススの量である程度把握できますからね。

もし煙道火災が起こってしまったら・・・

ストーブの空気取り入れ口を閉め、コンバスターのある機種はダンパーを閉めます。
最も空気量が少ない設定にして
煙道火災が収まるまでじっと待つ
くれぐれもストーブのドアを開いて「燃えている薪をひっぱり出して消火する」とか「煙突に水をかける」とかしてはいけません。
ストーブのドアを開けると煙突内に新鮮な空気が大量に供給されてしまい、煙道火災を助長します。
煙突に水をかけても、室内が汚れて水蒸気まみれになるだけで中の火は消せません

火が収まればそれでokです、煙突内部は掃除した以上に綺麗になっているのでそのまま使って構いません。念のために内部点検される事はお勧めします。
煙突によっては煙道火災によって二重管のインナーが割れてしまう事があります。
そうすると正規の性能を発揮できないので交換が必要です。

これらは正しく施工してある煙突について言えることです。

たまに見かけるオールシングル煙突の場合
煙道火災が発生すると煙突表面は数百度に達します、二重煙突に比べて付近の可燃物に与える熱量は雲泥の差です。
この熱によって火災を引き起こすパターンが薪ストーブの火災では多いです。
こうなったらもう神に祈るしかありません。
もしくは煙突の先から水を注入して内部を鎮火することです。
またステンレスではなく、鉄の煙突やダクトを流用した煙突の場合には穴が開く可能性もあります。

オールシングル煙突では、煙突内部の煙の温度の高温キープが難しく、特に長い煙突を使っていると煙突先端部では外気によって煙突も冷まされるため煙突内部で結露が起きます。
タールは高温化で気体になって煙突を上っていきますが、これが排気される前に気化点以下の温度になると液化して煙突内部に付着します、結露によりタールがどんどん蓄積される訳です。
それに引火してしまうと上の説明のようになります。
速やかに断熱二重煙突を屋外貫通部から先に換える事をお勧めします。
家を焼くことを思えば、二重煙突なんて安いものだと思います。

煙道火災の状態とは
煙突内部に火が廻るので煙突全体が通常時より熱くなります。やたらと発熱するのですぐに分かります。煙突の継目とかから燃焼に必要な空気を吸い込み、それも感じられます。
煙突先端からは火花がパチパチ上がります。
これはススとタールが燃えているカスなのでさほど心配することはありません。

我が家で煙道火災が起こった原因は、
乾燥広葉樹薪が不足しているので、乾燥の悪い杉の薪を多用している事です。
乾燥の悪い薪を燃やすと、火は燃えていても温度計の針は上昇しないのですぐわかります。
そして夜中の空気を絞ったトロトロ運転によりタールの蓄積がいつものペース以上に進んでいたのでしょう。
2-3度経験すれば慣れるのですが、最初はビックリしますし不安になります。
確かに危険な状態であることには変りないので、特に貫通部は観察しておきましょう。

万が一失火してしまったら、すぐに消防へ連絡しましょう。
庭のホースで消火を試みても良いですが、119した後で。
内部が燃え始めた壁や屋根は簡単には消せません。

直火を扱うストーブですから、燃料と取扱には十分注意しましょう。

最後に営業
弊社では煙突の点検、掃除も承っております。




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Posted by ペーターです at 21:40│Comments(0)煙突
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