2016年06月24日

時を越えて

取引先から、「リフォームのお客さんの手持ちストーブを見て欲しい」と依頼され、現場を訪ねてみたのは去年の秋。
「このストーブを使いたいんだけど、使えるのかな?」
えっ?えええっ・・・
見せて頂いたのはかなり年代モノのストーブ、しかも国外製
もちろんこんなストーブ見るのも初めてでした。

時を越えて
俗に言う「アンティークストーブ」です。
まぁこれでもストーブ屋の端くれですから、アンティークストーブにも多少の知識はございまして・・

湘南にはアンティークストーブのストーブ屋さんもあったりするわけで、実はこの" target="_blank">ノーザンライトさんは昔一緒に仕事をしていた事もある方でして・・・まぁだから知っているワケです。
でこちらにも似たようなストーブはありました。

オーナー自ら海外で出会い、ストーブを見つけて日本に持ち帰ってこられたストーブ。
さすがに今までの環境では実際に使うことは出来ず、今回のリフォームでやっと長年の夢が叶う?というご相談だったのです。
でオーナーさんもしっかりとノーザンライトさんに行かれたことはあったという・・・
世間とは狭いものです。

このストーブが作られた年代の主たる燃料は「石炭」
薪ではなく石炭を燃やして暖を取っていた時代のものです。
石炭は薪よりも高熱で燃えるため、薪ストーブで石炭を燃やすとストーブが熱で壊れてしまいますが、石炭ストーブで薪を燃やす分には燃やせます。
ただ、こんな古い釜に火を入れて大丈夫なのか?
というわけでまずは本体のチェックからです。

ストーブ本体の状態は大変宜しく、開く扉は開くし、動く部分は動きます。
ただパーツを接合しているボルトは錆びて固着してしまっています。
どこまで本体を修理するのか?
オーナーさんの意向で、出来る限りオリジナルを残す方向で、どうしてもダメになったら固着したボルトを切って代替するなどして修理することに。
火室内の耐熱パネルなどもちゃんと4面付いていますが、これらが熱で劣化して割れたり崩れたりしてしまった場合、もうパーツは手に入らないので現在の素材から作り出すほかないのです。

外観と中身を確認して、とりあえず使用できそうなので試しに煙突をつけて火を付けて見ました。
本体の一部接合部から煙が漏れるのですが、ガスケットを仕込むためにはやはりオリジナルを壊す必要があるので、煙が漏れる隙間に外からガスケットロープを詰め込んで対処。

時を越えて
リフォームされた納屋の玄関土間に設置いたしました。
ちなみに2階にLDKが作られています。

今年の冬から本格的に使うことになる為、暖房能力がいかほどかは未知数ではありますが、高気密高断熱仕様でリフォームされた空間が上手く機能すれば、この小さなストーブの小さな火力でもそこそこ室内を暖めてくれるはずなのですが・・・・

煙突のサイズは既製サイズでは合わない為、特注製作したものを使用しています。



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Posted by ペーターです at 23:05│Comments(0)クラシックストーブ
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