2008年02月23日

煙突掃除とドブレのメンテナンス

大分市内某所にある住宅、建築士がデザインした不思議なデザインのお宅の煙突掃除を依頼されました。屋根はガルバニウム鋼板の立縦葺です、煙突位置が棟に近いので掃除は遣り易いですね。
反対側の二階ペランダから屋根は易々と登ることが出来ました。ここまでは〇

玄関からリビングまで続くタイル廊下の端にドブレが鎮座していました。
ドブレ(ドーブレ?)とはベルギー製の薪ストーブです。
質実剛健で大型ストーブとしては値段もそんなに高くなく使いやすいストーブですね。

吹き抜けを貫く煙突は室内シングルで一発曲げてあります。
ただ完全に繋いであるので煙突を外すには天井部からでないと外せない仕様でした。これはメンテナンス性としては良いとは言えません。
まぁストーブのプロでもメンテナンスの容易さを考えて施工いる人は少数派ですからね。

早速ブラシを持って屋根に登ります。
煙突をみて少しビックリ、屋根貫通部の収まりが初めて見る形状です。
デザイン優先のせいなのか?後から抜いた為なのか?
屋根の防水を考えると少しリスキーな納まりです、でもまぁ雨漏りさえしなければ良いのですけどね。
トップを外して掃除します。

まず掃除前の煙突内部です。そこそこ煤が付着していますね。
専用の金属ブラシを通して掃除します。念のために5往復させました。

清掃後の煙突内部です。内部の煤が落とされて綺麗になっていますね。
トップに付着している煤もワイヤーブラシでこそぎ落としてからトップを取り付けて屋根上作業は終了です。

室内に戻って室内煙突を外します。
支えアームを外して二人がかりで上へスライドさせて本体から3m以上ある煙突をごっそり外して外へ出します。内部はこんな感じです、綺麗に掃除できていますね。
※スライド煙突などを組み込んでおけば、煙突全体を外さなくても容易に本体を解体出来るようになります。ストーブの機種にも寄りますが出来るだけメンテナンスが簡単に出来るように煙突を組まれておくことをお勧めしています。

本体から煙突を外したので本体を分解清掃です。
このストーブはクリーンバーンという二次燃焼システムを備えています。天板を外さないとクリーンバーン上の煙道が掃除できない構造だったので煙突を外しての作業です。
天板を外すと・・・先ほど落とした煤と灰が5センチほど堆積していました。

煤と灰を取り除き、細部までワイヤーブラシで掃除します。
隅っこは業務用掃除機で吸い取ってしまいます。
綺麗になりましたね。

外した天板の裏もブラシで汚れを落として綺麗にします。ついでにガスケットのヘタリもチェックします。

釜の内部の掃除を行います。内部の耐火レンガの状態やサビなどを確認。
クリーンバーンのパイプの目詰まりなどもチェックしておきます。

上から上から掃除をして最後に最下部です。
底にあるのはロストルと言って灰落としです。このストーブは手動でロストルを開けたり閉めたり出来るようになっています。ロストルの下には灰皿があります。

灰皿入れのフタはガスケットが少し剥離していました。実用に支障ない程度ですがボンドで接着しておく方が良いですね。ガスケット自体はまだ使える程度でした。
灰皿入れの内部に溜まっている灰も掃除機で吸い取ります。

このストーブは輻射熱を対流させる仕組みを持っていて二重外装です。
サイドのプレートを外すと内側の釜の外部には放熱フィンがありました。
内部のホコリ等も綺麗にしてストーブの掃除とメンテナンスは終了です。
元通りに組み立てます。
※外国製のストーブはボルトがインチネジなので要注意です。

外した煙突を再びセットするに天井の取り付け管が変形していました。
何度か煙突の着脱をしていて曲ってしまったのでしょう、こういうメンテナンスが大変な高所にダメージを与えない為にもメンテしやすい煙突設計は大切です。

綺麗になったストーブです。
これで安心して火を入れられますね。
Posted by ペーターです at 14:12│Comments(0)
│メンテナンス
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